ネタバレ!「ズートピア」をみました 内容が深くて面白い
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メディア
2016年5月11日

子どもにせがまれて、映画館に『ズートピア』を見に行きました。子どもは途中で飽きて帰りたがりましたが、私のほうが面白くなってきました。
これは、警察官をめざし、その夢をかなえるウサギの物語。私は昔、警察官をやっていたので、「ズートピア警察学校」が登場した時点でこの物語に引き込まれました。
ネタバレですので、これから見に行くのを楽しみにしている方は読まないほうがいいです。
肉食動物と草食動物の共生
この物語を貫いているのは、
肉食動物と草食動物は共生できるか
というテーマです。
主人公のウサギ、ジュディは、ウサギとして初の警察官になりました。そして、「ズートピア」という理想郷、つまり、肉食動物と草食動物が共生をしている世界に赴任します。ところが、現実はそう甘いものではありません。
実際には、肉食動物と草食動物には多くの確執があり、主導権を握る肉食動物と、その確執を利用してトップにのし上がろうとする草食動物、そこに立ち向かうのが、ジュディと相棒の詐欺師、キツネのニックです。
ズートピアで起こる不可解な失踪事件。14人(匹)の肉食動物が相次いでいなくなってしまったのです。
ジュディとニックは、失踪した肉食動物たちが、ある施設に収容されていることを突き止めました。そして、それは市長のライオンによって秘密裏に行われていたことでした。
その動物たちは、“野生に戻って”しまったために、その施設に隔離されていたのでした。
その事件によって市長は逮捕。代わりに副市長の羊が市長に昇進しました。
事件を解決したジュディは一躍街のヒーローです。ところが、真相は別のところにありました。
肉食動物は野生化する可能性がある
このような発言をメディアでしてしまったジュディ。それにより、草食動物の肉食動物への差別が起こります。相棒のニックもキツネですから、肉食動物。ジュディに不信感を抱きます。
友人を失ったショックと、動物間に確執を引き起こしてしまったことに責任を感じたジュディは警察官をやめてしまいます。
田舎に帰ったジュディは、あるとき、「夜の遠吠え」という花が、肉食動物だけに限らず、すべての動物の野性を目覚めさせることに気が付きました。
ジュディは警察官に復帰。相棒のニックとも仲直りをし、事件の真相を突き止めます。すべては、副市長の羊が、自分が支配者になるために仕組んだことだったのです。
羊のヤクザものたちを利用して「夜の遠吠え」のエキスを肉食動物たちに注入し、野生化させ、「肉食動物は危険」というイメージを動物たちに植え付けようとしたのです。
庶民同士を争わせて自分はその上に君臨する、常とう手段ですね。
さて、私が気が付いた、この映画で描かれなかったもの。サザエさんで“トイレが描かれない”ようなことです。それは、“肉食動物たちの食事”です。
アイスクリームやケーキを食べる、そんなシーンはありましたが、ようは、“肉を食べるかどうか”が描かれていないのです。もし、肉を食べるのならば、それは、草食動物を食べるということになりますから、「肉食動物と草食動物の共生」という根本的な部分が覆されてしまいます。
パート2、大いに期待ができます。