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女性差別?厚生労働省の公的年金PR。歴史から考える「女性は子どもを産むもの」という感覚

公開日: : 社会

 厚生労働省のホームページで公開している公的年金をPRするための漫画が波紋を呼んでいます。
 登場人物の公務員の姉が、妹に、「(年金問題を解決するには)あんたが子どもをたくさん産めばいいのよ」と言い、お見合いパーティーに連れ出す、という部分が多くの批判を集めているようです。

 厚生労働省は、「揶揄(やゆ)する意図はない」とコメントしていますが、それは本当だと思います。とすると、この漫画を描いた人からチェックする人まで、誰も、「差別と批判されるのでは?」と思わなかったか、思っても言えなかった、のどちらかということになります。
 
 私の目的はこの漫画を批判することでも擁護することでもありません。この「女性は子どもを産むもの」という価値観の時代背景を少し書きたいと思います。「ナショナリズムとジェンダー」(上野千鶴子著 岩波現代文庫)を参考にします。

 平塚らいてうという戦前から戦後にかけて活躍したフェミニストがいます。以下はらいてうの発言です。

「新しき母の仕事はただ子供を産みかつ育てることのみではなく、よき子供を産み、かつよく育てることでなければならぬ」。

 らいてうの時代には、男には戦争に行くという役割がありました。らいてうにとっては、それは、「国家に奉仕する」という役割でした。では、女性はどうか。らいてうにとっては、女性も同じように国家に奉仕することが「女性の自立」に必要でした。ただ、それは男性と同じように戦争で戦うことではなく、「子供を産み、よく育てる」ことだったのです。「よく育てる」とはらいてうにとっては、「国家に奉仕できる人間に育てる」ことでした。

 その当時、「母性保護論争」というものがあり、女性同士で、「女性の自立とは何か」という議論がなされていました。
 その中の一人、与謝野晶子が次のように述べています。らいてうの考え方に対するこうのような批判があった、ということで、結論にしたいと思います。

「私は子供を『物』だとも『道具』だとも思っていない。一個の自存独立する人格者だと考えています。子供は子供自身のものです。平塚さんのように『社会のもの、国家のもの』とは決して考えません」。

 

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