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「逆送」とは?元警察官、福祉関係者の私が説明。「少年法」を知る その1

公開日: : 社会

 京都で起きたある事件で、容疑者の17歳の少年が検察官に「逆送」されたというニュースがありました。「逆送」というワードを皮切りにして、いったい罪を犯したらどうなるのか?を元警察官、そして福祉に関わっている私が説明します。と言っても、警察官はすぐにやめてしまったので現場経験はないに等しいです、偉そうなタイトルですいません。

 これらの手続きは、もちろんすべて法律に則(のっと)っています。「少年法」を理解するためには、少年ではない場合はどうなるか?をまず理解する必要があります。それは、「刑事訴訟法」です。


 ここで、「法律を守らなければいけないのは誰?」という問いがあります。たとえば、その「刑事訴訟法」ですが、これを守らなければならないのは、警察や検察官といった行政なのです。
 ん?と思った方もいると思います。私がこのことを学んだのは警察学校ではありません。最近読んだ小室直樹さんの著書(最後にアマゾンの広告あり)です。
 
 たとえば、「刑事訴訟法第199条」は、「逮捕状による逮捕」。「逮捕」のやり方について厳密に手続きが記してあります。警察官は、この199条の通りに逮捕をしなければならず、それを踏み外してしまうと、刑事訴訟法に違反している、ということになります。
 これが、「刑事訴訟法」を守らなければならないのは警察、つまり行政、ということの意味です。
 このように、あらゆる法律は、「誰がそれを破ることができるのか?」という視点で考えるとわかると思います。

 
 逮捕をされると、警察署にあるいわゆる牢屋に入れられます。警察はそこから48時間以内に、「身柄送致」と言って、検察に身柄と書類を送るか、それができなければ釈放しなければなりません。
 微々たる警察官としての私の経験では、釈放のケースがはるかに多いです。「これはヨンパチだな」(「ヨンパチ」とは48時間で釈放されるの意)と、逮捕された側の方が詳しかったりします。

 では、完全に釈放か身柄送致かの2択かと言えばそうではなく、「微罪処分」というものがあります。

 警察をやめて数年後、私はアルバイトをしていました。そこの後輩の大学生が、自転車の窃盗で捕まりました。真相は、「知らない人からもらった自転車が盗難車」だったようですが、その相手を見つけるのはほぼ不可能ですから、この「微罪処分」が適用されました。交番での手続きだけですぐに終わります。彼は就職が決まっていましたが、それにより内定取り消しということもありません。


 さて、身柄が検察に送致された場合、検察は、20日以内に起訴か不起訴を決定しなければなりません。起訴されれば裁判が始まり、不起訴になればそれで終わります。
 警察学校で刑事さんの話を聞きましたが、「不起訴」というのは警察にとっても「負け」を意味し、とてもつらいもののようです。それは、「無罪」ですらなく、「裁判をするような事件ではない」と、その事件を担当してきた刑事には踏んだり蹴ったりの決定なのです。「裁判は勝つか負けるか」とその刑事さんは明言していました。

 「裁判は真実を明らかにするところではないのか?」と思った方は、「法律は誰のためにあるのか?」というところをもう一度考えていただきたいと思います。

 これは、新聞にものった事件ですが、ある福祉施設の理事長が、経費を水増し請求した疑いで市から「詐欺罪」で訴えられました。関係者の間でも話題になった事件ですが、その後どうなったのか?については何も情報がなかったので、私は市に直接問い合わせをしました。
 結果は「不起訴」。さらに、市からその施設に監査に入ったそうですが、不正はみつからなかったそうです。結局、その理事長が自主的に施設を閉鎖し福祉業界から去ったことでこの件は幕を閉じました。
 つまり、この理事長は法的に何もわるいことをしていない、という結論なのです。ところが、メディアに「詐欺」という文字が出たために、そのようなレッテルを貼られ、福祉業界から去ることになったのです。
 
 このように、法律の手続きに則った場合でさえ、その理事長は「詐欺」のレッテルを貼られ、やめざるを得ないという罰則をくらうことになったのです。
 もし、警察や検察をはじめとする行政が100%善意で真実を追究をする機関ならば、刑事訴訟法は必要ありません。完全にお任せすればいいのです。そうではないから、法律によって制御をする必要があるし、この理事長の例のようにまだまだ法律は不完全と言えます。

「刑事訴訟法」は行政が守るもの、ということを理解いただけたと思います。「少年法」も同じく行政が守るものです。それは次回にゆずります。

まとめ
 専門家が読むとボロボロに間違っている、ということもあるかもしれませんが、いかがでしたでしょうか?ただ、これらは私が本で学んだ知識をベースにしているので、すべてが勝手に言っているという内容ではありません。
「刑事訴訟法」の内容については、興味がある方は、実際に法律を読んでいただければいいので、ここではわからなくてもいいと思います。ここでは、「法律は誰が破ることができるか?」=「誰が守るものか?」という視点を覚えていただきたいと思います。
「刑事訴訟法」(「刑法」もそうですが)や「少年法」が、「行政が守るものである」という理解ができると、社会のできごとが違うように見えてきます。それについても考えがまとまってきたら書きたいと思います。







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